紙コップの耐熱温度は?電子レンジ使用はOK?耐熱紙コップの種類も紹介

職場用などで業務用の紙コップを購入しようと考えている人の中には、どんな紙コップを選ぶべきかわからない人もいるでしょう。特に、ホットコーヒーなどを入れる場合、耐熱性の高い紙コップを探している人が多いのではないでしょうか。

この記事では、紙コップの耐熱温度や、熱を感じにくい紙コップの種類を紹介します。また、電子レンジでの使用は可能なのか、紙コップに入れてはいけないものは何かなど、注意点も解説します。紙コップの購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

紙コップの防水・耐熱の仕組み

紙コップに液体を入れても染みないのは、紙コップの表面がポリエチレンで覆われているからです。紙コップが作られる際、まず紙コップの土台にとなっている巻紙に、薄いフィルム状のポリエチレンが貼り付けられます。次に、コップ状に組み立てられ、隙間部分がポリエチレンで圧着されます。そうすることで、ポリエチレンで覆われた紙コップができ、液体が染みないようになります。

以前は、石油から精製したパラフィンワックスが使用されていましたが、融点が60℃前後と低かったため、ホット飲料は飲めなかったそうです。

ポリエチレンは、熱いコーヒーやお茶、お湯などを入れても問題ありません。通常の飲料であれば、どれだけ加熱されていてもポリエチレンが溶け出すことはないので、安心して利用できます。

紙コップの耐熱温度・電子レンジやオーブンの使用は可能?

紙コップは電子レンジやオーブンで加熱してもよいのでしょうか。紙コップの使い方で注意すべき点を紹介します。

熱湯は入れてもOK

紙コップはポリエチレン加工がされているため、熱湯を入れても問題ありません。ポリエチレンは110℃前後で溶け出すため、100℃以下の飲料であれば十分耐えられます。

電子レンジの使用は基本的にNG

紙コップに入れた飲料は、基本的に電子レンジで加熱できません。電子レンジを使用すると、中の飲料が110℃以上になる可能性があり、そうするとポリエチレンが溶け出てしまいます。ポリエチレンが溶けると、紙コップの中身が漏れたり、紙コップの形が崩れたりしてしまうので、電子レンジを使うのは極力避けた方が無難です。
どうしても紙コップに入れた飲料を電子レンジで加熱したい場合は、以下の点に注意しましょう。
  • ・油分が入っていないか確認する
  • ・ラップで容器を覆わない
  • ・沸騰する前に加熱をやめる
紙コップに使用しているポリエチレンは、食品衛生法に基づいた素材を使用しているため、健康的には無害です。仮に、ポリエチレンが溶けた飲料を飲んでも、そのまま体外に排出されるので、体内に蓄積することもありません。

オーブンの使用は危険!

オーブンやオーブントースターは、中の飲料だけでなく直接紙コップも加熱し、全体が200℃以上になる場合もあるため、絶対に使用しないでください。温度の調節も難しいため、無理に加熱すると紙から発火する可能性があります。

耐熱・断熱用紙コップの種類

ここでは、耐熱・断熱用紙コップの種類を紹介します。それぞれ特徴があるので、用途に応じて使い分けましょう。

厚紙の紙コップ

厚紙の紙コップは、通常より厚みのある紙を素材にしている紙コップです。頑丈で断熱性が優れており、ホット・コールドの両方に対応しています。ホット飲料を入れて手で持っても熱くならず、体感温度もさほど変化しないため、スリーブと一緒に使うことがおすすめです。中身も冷めにくいので、寒い地域でのアウトドアキャンプなどでは重宝するでしょう。

二重耐熱紙コップ

耐熱紙を二重に巻いている紙コップです。紙を二重に巻くことで空気の層ができる仕組みになっています。熱しづらく冷めにくい構造をしており、熱々の飲料を入れても素手で簡単に持てます。

エンボスコップ

表面にいくつもの窪みが作られている、ホット飲料用の紙コップです。窪みによって肌に直接触れる表面積を減らし、断熱性能を高めています。窪みが指にフィットするため、持ちやすさと滑りにくさもプラスされています。手で持ったときの温度は、通常の紙コップと比べて低めです。

発泡紙コップ

紙コップに薄くコーティングされたポリエチレンを加熱することで発泡させ、ポリエチレンに気体の泡を含ませた紙コップです。。空気の層が形成されるため、手に熱が伝わりにくくなります。表面は気体の泡によって凸凹になっており、感触も柔らかいです。持ちやすさや滑りにくさも問題ありません。

紙コップに入れてはいけないものはある?

ここでは、紙コップに入れると危ないものを紹介します。誤って入れると、中身が漏れ出る可能性もあるので注意しましょう。

アルコール類・油性食品・薬品を長時間入れてはダメ

紙コップは端部分が浸透しやすくなっているため、アルコール類・油性食品・薬品を長時間入れてはいけません。上記3種類の液体は浸透率が高いため、長時間放置すると隙間から外部に漏れ出てしまいます。

ただし、うがい薬は長時間入れても問題ありません。紙コップ内では「うがい薬のヨウド」と「紙のでんぷん質」が反応し、紫色の液体が出てきますが、その物質は紙コップや人体には無害です。

自分専用のカップスリーブを持つ人が増えている

カップスリーブとは、ホット飲料を飲むときに使うカバーのことです。紙コップにつけるため、手や指に負担をかけずにホットドリンクを飲めます。大きさも、紙コップの半分ほどの表面積しかありません。

最近は、自分専用のカップスリーブを携帯する人も増えており、多くの商品が登場しています。素材は紙だけでなく、レザーやフェルト・ネオプレン・綿など、さまざまなものがあります。

また、留める部分がボタンだったり、カップに合わせてサイズを調整できたりなど、機能面も豊富です。ボタンで留めるものは、コンパクトに畳めるため便利です。おしゃれなものも多いので、ファッションアイテムとして活用している人も多いです。

紙コップの単位は?

紙コップの容量の単位は、オンス(oz)です。1908年、当時のアメリカでは、紙コップを衛生的な容器として生産し始めました。そのときの単位がオンスで、戦後日本に伝承してからも、そのまま引き継がれています。

1オンスは、約30mlです。グラムに換算すると28.35gほどになります。オンスがどのような用途で使用されるかは、以下を参考にしてください。

  • ・2オンス⇒スーパーマーケットや飲食イベントなどで使う試飲カップ
  • ・3オンス⇒歯医者のうがい用カップ
  • ・5オンス⇒日常的なうがい用のコップ
  • ・7オンス⇒一般的なサイズのコップ
  • ・9オンス⇒大きめの飲み物用コップ
  • ・12オンス⇒マクドナルドのMサイズカップ
  • ・14オンス⇒かき氷などを入れるフードカップ
  • ・22オンス⇒マクドナルドのLサイズカップ

まとめ

通常の紙コップでは、ホット飲料を入れた際、素手で持つには熱い場合が多いです。しかし、厚紙・二重耐熱・エンボス・発砲紙カップは、特に耐熱性能に優れています。ホットコーヒーなどをよく飲む職場で使用する場合は、いずれかの紙コップを購入することがおすすめです。